花の紹介 2023.12.27-29

販売した切花についてこちらにまとめました。(クリックすると詳細ページでご確認いただけます) 1.ラナンキュラス ラックス ガラテア / 2.フリージア / 3.ホルデューム ジュバタム / 4.素心蝋梅 / 5.リューココリーネ ナルシオイデス / 6.サラセニア マルーン / 7.アイリス キャサリンホジキン / 8.水仙 ペーパーホワイト / 9.寒竹......

花の紹介 2023.12.27-29



1.ラナンキュラス ラックス ガラテア
キンポウゲ科キンポウゲ属 半耐寒性球根 / 別名:ハナキンポウゲ / 花期:春(切花は冬から) / 主な原産地:西アジア,ヨーロッパ

管理や飾り方:綺麗に広がる葉や花の重みで垂れ下がる形を生かすように茎を長めに残すと良いです。花は小さいですが、蕾も少しずつ開いてきます。花瓶の水は少なめで大丈夫。

濃色のやまぶき色が冬によく合います。街が色褪せて植物の色が少なくなってきた頃、艶のある花びらと色味に目を奪われてしまいそうです。春の花ですが冷えた空気を好むので、お家のちょっと寒いところで長い間楽しんでいただけたら。


2.フリージア
アヤメ科フリージア属 半耐寒性球根 / 別名:菖蒲水仙,浅黄水仙 / 花期:冬 / 主な原産地:南アフリカ

管理や飾り方:花がらを摘み取ると先の方の蕾を咲かせるのに力を使うことができるので、気がついたら取り除くと良いです。香りもとても良いです。よりご自身の近くに置くと五感で楽しめると思います。

原種のフリージアであるカリオフィラケアを育種してできた品種です。紫と黄色、相反する色のグラデーションがとても艶やかで咲き進むと存在感があります。


3.ホルデューム ジュバタム
イネ科オオムギ属 耐寒性多年草 / 別名:リスのしっぽ / 花期:春-初夏 / 主な原産地:北アメリカ

管理や飾り方:ドライフラワーとしても流通されるものなので、乾きには強く扱いも簡単。そのままの形で乾くのである程度瑞々しい姿を楽しんだら水を切っても良いですね。

先の方にかけてピンク色に色づいていて、霞ような麗しさがあります。リスのしっぽという別名もあります。ふわふわ、さらさらと視界から得られる質感に癒されると思います。


4.素心蝋梅
ロウバイ科ロウバイ属 低木 / 別名:シロバナロウバイ / 花期:冬 / 主な原産地:中国

管理や飾り方:たっぷりの水を汲み、暖かい場所に飾って開花を後押ししてみましょう。大ぶりな枝を豪快に飾っても、枝分かれしたところで切って小さい瓶にいくつも飾っても綺麗です。

蜂蜜やマンゴーのような濃厚な香りのする満月蝋梅に対し、青リンゴのように爽やかですっとした香りがします。蝋細工のような質感の透き通った花びらと甘くて淑やかな香りが部屋中に広がって、身体全体で楽しめます。


5.リューココリーネ ナルシオイデス
ロユリ科レウココリネ属 半耐寒性球根 / 別名:なし / 花期:春(切花は冬から) / 主な原産地:南米

管理や飾り方:細く丸い茎と可憐な花の雰囲気をそのままに、一輪挿しが合いそうです。

星型に広がる透けるような花びらと、くすんだオレンジ色の副花冠、花びらにある薄い緑色のライン。 ひらひらと軽いのに細かい装いが目を惹きます。ほとんど流通のない貴重な品種です。


6.サラセニア マルーン
サラセニア科ヘイシソウ属 多年草 / 別名:ヘイシソウ / 花期:春(切花は冬から) / 主な原産地:カナダ,北アメリカ

管理や飾り方:背の高い花の裾のあたりに、本当の葉っぱのように合わせて生けるとお互いが引き立てあって綺麗です。まとめて数本ごそっと飾るとフィギュアやおもちゃのような雰囲気が出ます。

食虫植物らしい、大口を開けたような見た目。器官としては葉の役割を持っています。花も上下がくるんとひっくり返ったような姿をしていてどこをとっても珍妙な植物です。赤黒く造形的なかたちが一際目を引きます。


7.アイリス キャサリンホジキン
サアヤメ科アヤメ属 耐寒性球根 / 別名:ミニアイリス,イリス / 花期:初春 / 主な原産地:地中海沿岸

管理や飾り方:根から水が吸えるように、水は根が浸かる程度の浅さで大丈夫です。球根がすっぽり入りそうな小さいな花瓶にちょこんと生けるとオブジェのようです。

ミニアイリスの一種で冬が終わる前に咲く、早咲きの品種です。青いラインの模様の中に黄色が混じり合い、手のひらにのるサイズも幻想的で心躍ります。


8.水仙 ペーパーホワイト
ヒガンバナ科スイセン属 耐寒性球根 / 別名:白花水仙,房咲水仙 / 花期:冬 / 主な原産地:地中海沿岸

管理や飾り方:元気がない時は深水にすると水を吸いやすいです。背の低い花瓶に数輪を束にして飾ると、軽やかにすっと伸びた茎が綺麗です。

水仙の原種で平安時代に日本に薬草として入ってきました。中央の副花冠まで全て白く、俯く花姿が可愛らしいです。一本にこんもりと花がついてるので、香りも感じやすく存在感があります。


9.寒竹
イネ科カンチク属 多年性常緑竹 / 別名:モソウチク / 花期:春(切花は冬から) / 主な原産地:日本

管理や飾り方:乾燥に強いのであまり手はかかりません。先端から覗く小さな笹の葉と堅強な立ち姿を楽しめるよう、一種類だけで飾るのがシンプルで形が活きます。

紫を帯びた棹は艶があって、稈鞘(かんさや)というたけのこの皮が残って渋くかっこよさもあります。厳密には竹ではなく笹の仲間。


10.キク バルタザールフレーム
キク科キク属 宿根草 / 別名:マム,スプレーマム / 花期:秋(切花は通年) / 主な原産地:中国

管理や飾り方:茎を手で折ると、水を吸いやすいです。花瓶の口で支えるように茎を斜めに飾ると、放射状に広がる花姿が楽しめます。

細い花びらが放射状に広がるスパイダー咲きの品種です。白っぽい赤ピンク色で花びらの先が少し黄色く光っているようです。繊細な色と花びらで大きい花でもすっと馴染んでくれます。


11.ミディファレノ アパショナータハワイ
ラン科ファレノプシス属 多年草 / 別名:胡蝶蘭 / 花期:春から夏(切花は通年) / 主な原産地:熱帯アジア

管理や飾り方:咲き終わった花がらは摘み取ると良いです。ファレノプシスは花全体がアーチを描くような姿をしていることが多いので、底がどっしりとしていて広いものや口が狭めの花瓶が生けやすいです。

ライムグリーンにもレモンイエローにも見れるような絶妙なニュアンスカラーです。対照的にリップは鮮やかな赤紫で花脈にも同じ色が色づきます。コントラストにうっとりします。


12.ファレノプシス ショコラティエ
ラン科ファレノプシス属 多年草 / 別名:胡蝶蘭 / 花期:春から夏(切り花は通年) / 主な原産地:熱帯アジア

管理や飾り方:咲き終わった花がらは摘み取ると良いです。見上げるような場所に飾ると、垂れ下がる姿と大きな花一つ一つを綺麗に眺めることができます。

ひらひらとしたリップの形と、じんわり滲んだような赤紫色が特徴的です。曖昧な花びらの輪郭が色や模様を引き立たせ華やかです。


13.ピヌス ピネア
マツ科マツ属 耐寒性常緑樹 / 別名:イタリアカサマツ / 花期:春 / 主な原産地:地中海沿岸

管理や飾り方:下の葉が水につくとバクテリアが繁殖しやすいので、つまんで取り除くと水が濁りにくいです。その際葉元から出る粘度のある樹液や尖った葉にお気をつけください。手についた樹液はアルコールが落としやすいです。

幼葉ならではの柔らかく広がりがあり、少しブルーがかった緑が美しいです。すくっと上に伸びる姿と線の細い葉がどのような花を合わせても軽やかな雰囲気にしてくれます。 イタリアカサマツは木が成熟してくると下の方の枝が落ちる傾向があり、上部の枝が横へと大きく張り出して「傘」や「ドーム」に例えられる壮大な樹形を作ります。イタリアでは街路樹や公園にシンボルツリーとして植えられて身近な存在です。


14.チューリップ ポリクローム
ユリ科チューリップ属 球根植物 / 別名:鬱金香、中近東ではラーレ / 花期:春 / 主な原産地:中央〜西アジアにかけての諸国

管理や飾り方:根から水を吸うので、水は根が浸かる程度の浅さで大丈夫です。咲き終わった球根は土に植えておくと翌春にまた花を咲かせます。原種系のチューリップなので2~3年ほどは植えっぱなしで問題ありません。

原種チューリップならではの、ユリ科であることが見て取れるような花姿が特徴的です。中でもこの品種はとてもポピュラーなもの。富山県などチューリップ生産が盛んな地域から各地に出荷されています。またどこかで出会うことがある花かもしれませんね。


15.ミディファレノ ゼウス・サザンウインド・リトルゴールド・ウエディングプロムナード・リオウリン ホットリップ
ラン科ファレノプシス属 多年草 / 別名:胡蝶蘭 / 花期:春から夏(切り花は通年) / 主な原産地:熱帯アジア

管理や飾り方:咲き終わった花がらは摘み取ると良いです。こちらのミディファレノのシリーズは小ぶりかつ背も低いです。口の狭い小さめの花瓶に1、2輪をそっと顔がよく見えるように生けてあげればどこを捉えても可愛く映ります。

ゼウス…淡くぼやけたニュアンスカラーに真っ白なリップが特徴。名前とは似つかないまろやかな風合いです。水彩絵具がじわっと滲むような色づきが綺麗です。 サザンウインド…オレンジの濃淡で花脈がストライプ柄に見えるのが特徴。輪郭がはっきりしていて視線が吸い込まれていくような強さがありますね。

リトルゴールド…レモンイエローの小さくてシャープな形が特徴。全体として淡く可憐ですがどこかスタイリッシュです。色のない空間や背景にこそ輝きます。

ウエディングプロムナード…紫がかったピンクに赤紫のリップ。よくある配色のファレノプシスですが質感がマットなことからか、より品の良さが見て取れます。和菓子のようなきめ細やかな美しさがあります。

リオウリン ホットリップ…ビッグリップ系といわれるリップが広がった大きな形が特徴のファレノプシスです。その中でも流通量も情報も少ない交配品種が今回のリオウリン ホットリップ。見れば見るほど似たような模様は見つかりません。

hoeyoh

2023年3月、私たちは”dawn on”から活動名が”hoeyoh”に変わりました。思いを可視化していくこと、簡潔で分かりやすい呼び名でありたいからです。花や植物が生活にある風景がいい。生きている姿が場所や人に作用する。その豊かさに気づいていけるようにとdawn on = 少しずつ分かり始めるを選びました。また、dawnの語源がday(日々)から派生して......

hoeyoh

2023年3月、私たちは”dawn on”から活動名が”hoeyoh”に変わりました。思いを可視化していくこと、簡潔で分かりやすい呼び名でありたいからです。花や植物が生活にある風景がいい。生きている姿が場所や人に作用する。その豊かさに気づいていけるようにとdawn on = 少しずつ分かり始めるを選びました。また、dawnの語源がday(日々)から派生していることも思いと重なります。dawn onは私たちのコンセプトとして深いところで流れ続けます。hoeは花や蕾を保護する役割の葉である「苞」のこと。花によっては花弁や萼片、茎などのようにも見える異質な器官。花を包み込み護る役割でありながら、花そのものを輝かせるパーツにもなります。保護と輝き、端と端の性質を持ちながら静かで強いブランドに成長していけるよう丁寧に活動していきます。     海老原、長谷川

アベリアとクロアゲハ

少し強い陽の光を受けた、大きなアベリアの生垣にたくさんの蝶々が屯していた。その中でも一際大きい一匹のクロアゲハは、いくつもの花から蜜を吸い取ってここぞとばかりに怪しく光る羽と身体を震わせ羽ばたかせていた。これがクロアゲハの食事であるし、アベリアにとっても花粉を運ばせて命をつなげるチャンスである。お互......

アベリアとクロアゲハ

少し強い陽の光を受けた、大きなアベリアの生垣にたくさんの蝶々が屯していた。その中でも一際大きい一匹のクロアゲハは、いくつもの花から蜜を吸い取ってここぞとばかりに怪しく光る羽と身体を震わせ羽ばたかせていた。これがクロアゲハの食事であるし、アベリアにとっても花粉を運ばせて命をつなげるチャンスである。お互いを補い合うような関係性が綺麗だと思ったし、こんな原風景が残っていることの尊さを感じた。

ポリゴナム

遠くの壁がピンクに見える。通り過ぎる時に目をやると、ポリゴナムの群衆だった。ポリゴナム、別名姫ツルソバ。タデ科らしい粒々した花姿で半野生化した強い植物。伸びやかに塀に這い、太陽をたっぷりと浴びた葉は赤く、花はピンクと白がまだら。何日も前を通過しているとだんだんと増えている気がして、逞しさとちょっとした怖さも感......

ポリゴナム

遠くの壁がピンクに見える。通り過ぎる時に目をやると、ポリゴナムの群衆だった。ポリゴナム、別名姫ツルソバ。タデ科らしい粒々した花姿で半野生化した強い植物。伸びやかに塀に這い、太陽をたっぷりと浴びた葉は赤く、花はピンクと白がまだら。何日も前を通過しているとだんだんと増えている気がして、逞しさとちょっとした怖さも感じた。そんなことを感じながら眺めていると、一本入った脇道の塀の排水口の中に芽吹いたポリゴナムが溢れるように咲いていた。浮いた球体が可愛らしく、自分の中のポリゴナムが更新された。抑制から生まれる良さもある。

とちおとめ

栃木県産のいちご。甘くて美味しい。こどもの頃から食べていたけれど、たまにこんな風に大きくて歪なかたちの個体が混じっている。ラッキー!とぱくぱく食べてしまうだけだったが、なぜか今回は写真に収めたくなった。よく見ると3つくらいがひとつになってしまったようなかたちだ。石化や綴化の類だろう。いちごは見逃されている気が......

とちおとめ

栃木県産のいちご。甘くて美味しい。こどもの頃から食べていたけれど、たまにこんな風に大きくて歪なかたちの個体が混じっている。ラッキー!とぱくぱく食べてしまうだけだったが、なぜか今回は写真に収めたくなった。よく見ると3つくらいがひとつになってしまったようなかたちだ。石化や綴化の類だろう。いちごは見逃されている気がするが、花も野菜も定められた形に見合わないと価値が落ちてしまう。変なかたちは可愛いし紛れているのを見つけると嬉しくなるし、ただの個性なのになぁ…といつも思う。

ミニシクラメン

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新しい季節を感じとり、私たちの周りには植物が増えていく。寒くなってきた頃からいつかいつかと憧れていたシクラメン。切り花ではあまり出会わないので、ぜひ鉢でじっくり楽しみたいと思っていた。ぷっくりした丸い葉、飛ぶ鳥のように反り返った花。冷えた冬の空気に差し込む色。品種を調べていく中で、原種ミラビレの素晴らしい画像を見て決めていたのに、ヘデリフォリウムの球根の塊感の愛らしさにも惹かれて迷ってしまい、偶然に甘えることにした。しばらくしてシルバーリーフの美しいワインレッドのミニシクラメンが購入できた。シクラメンは球根が蒸れないように、花を中央に寄せ集めそれを囲うように葉を仕立てる。理にかなっていると分かっていながら、やはり人の手が入りすぎていない葉の隙間から花が増殖するように立ち上がっている鉢を選んだ。駄温鉢の色味と重みがあまりにもしっくりくるので、触れたくなる。ヒーターで強引に温めた手のひらがひんやり気持ちいい。